ショーが終わり、
レストランに入っている。


「いやあ~すごかったな。クジラ。」


「だからイルカ。」


何故イルカとクジラを間違えるの。


「どっちでもいいけど、
水族館、一回だけ来たことあったけど今のが楽しいや。」


「来たことあんだ。」


「うん。
あの人の男。俺の親父。」

あの人…それは母親で。
母親は愛人やってて。
つまりは、相手には所帯がある。


そんな人と…水族館に来たんだ。


「いつ?」


「まだ幼稚園くらい。
そん頃は、本当に家族だと思ってたよ。
月1くらいに帰ってくる
父親だと。
けどさ~なんか冷たくて。水族館来てもつまらなかった。」


「うん…」


「でもさ、今はすっげえ楽しい。こんな感情あんのね。俺。」


「ちっちゃい子供。」


「だーから逆だろって!」

「あ…ハンバーグおいしそう。」


私も…楽しいよ。