すんなり起きたかと思ったのに…


「ねえ…かなり重いのだけれど…」


「次右曲がって…」


駅を降りて、数分歩いているのだけれど…


ずっと、後ろから私に乗っかりながら歩いている。


とゆうか、私が引きずっている状態。


「あなたの寝起きの悪さ
なんとかならないの?」


「無理~ねみいもんはねみぃ…」


小さな子供ね。


しばらくまっすぐ行くと、そこは水族館だった。


「水族館。」


「そ。デートっぽいだろ。」


ベタっちゃベタ。


でも来たことないから
いいや。


「んじゃ、入りますか。」


おっきく伸びをした後、
手を繋ぎ歩き出した。


これがカップルか。


「すっげえ~魚いっぱい。あれ食ったらうめえかな。」


何事にも無関心かと思ったけど、今はまるで子供。


こんな顔…できるんだ。


無邪気で…
いたずらな表情。


「そんなにイケメン?」


「へ…」


随分見てしまったようで、佐原恭二の顔が目の前にあった。


「見とれすぎだ。バーカ。」


「子供みたい。」


「は?」


「ちっちゃい子みたいな表情。嫌いじゃないわよ。」


「誰がちっちゃい子だよ。逆だろうが。逆!」


ガブ…


「いった…」


噛んだ。


しかも…鼻。


あり得ない。


本当…獣。


でもそれに慣れた自分。


むしろ…嫌いではない。


「結衣ー!あっちにすっげえのいる!」



彼の本当の姿は
こんな感じなのかもしれない。