「柊くんが…鬼?」

「そうだよ」

「うそ。だって普通の」

「物語に出てくる鬼と違う?それは人間が勝手に思い込んでただけだよ。姿は人間とさほど変わらない」


ウソ。
柊くんが鬼だなんて。


「混乱してるみたいだから今日はここまでにしておくよ。あ!ちょうど、チャイムが鳴った。午後の授業始まるから行こうか」


立ち上がった柊くんにつられて一緒に教室へと戻った。

ウソだよね。
鬼がいる学校なんて。
みんな普通の人にしか見えないもの。


5、6時限目は移動教室で美術室へ。

その移動してる廊下でもすれ違う上級生が驚いたように振り向いてく。

女子は隣に歩く柊くんに熱い視線を送ってメロメロになってる。
隣を歩くわたしには痛い視線……。

柊くんってスゴイ人気あるんだ。
さっきは下級生からラブレターをもらってたし。