ハァ、ハァ・・・

 かなり走った気がする。

 ここは・・どこかしら?

 「フラ・・ンク?」

 息が苦しいためにうまく声がだせない。

 「な・・んだ?」

  フランクのほうもかなり疲れきっている。

  どうやってこの場を切り抜けよう?

  「ここ・・どこかしら?」

  ハァ・・

  「知らないさ。」

  フランクの返事はそっけなかった。

  「冷たいわね。」

  でも、ここはきっと、王宮の下、つまり街だわ。

  人がたくさんいる。

  みんながみんな自由な暮らしをしている。

  「・・・服、平気?」

  え?

  「平気じゃないわよ!」

  服は、砂で、めちゃめちゃになっていた。

  あーん。こんなのきてられない!!

  「どうしよう。」

  フィーラは泣きたい気分だった。

  まるで、泥んこにまみれた犬みたいにみずほらしい。

  「買いに行こう。」
 
  「いいわよ。・・・」

  「いくぞ。」

  「・・・そうね。」

  この際、魔法はつかわなくっても、フランクにだしてもらおう。

  


  


  「まぁ、素敵!!!ありがとう!フランク。」

  「いいさ。」

  フランクに買ってもらった服を着て街の中を歩いているなんて。

  ライトブルーのワンピース。フリフリで涼しそうだ。

  街を歩いている人たちがあたしたちを見ている。

  王妃と王子だとも知らずに・・・。