「プログラム十九番、クラス対抗リレーに出る人は入場門に集合してください…」



「行くぞ、真理」

「うん」

玉入れショックから立ち直った私は仁とともに入場門へ向かう。





「絶対勝つぞー!!」

「うおーー!!!!!!!!」

クラスの団長の言葉に、皆も答える。



「クラス対抗リレー、選手入場」

放送がかかり、トラックに向かって一斉に走り出す。


一人目が準備をする。

「位置について」

「よーい」



パンッ!!



ピストルの音ともに走り出す。




「頑張ってー!!」

「行けー!!」


どのクラスも負けじと応援する。



…次は私の番だ。


今の順位は七位。

四位くらいまでなら抜かせそう。

絶対抜かしてやる。

そして、バトンを仁につなぐ。





前の走者からバトンをもらった私はすぐに駆け出した。



一人、二人…

いける…!


ロックオン。

一気に私は速度をあげた。

一位で仁にバトンをつなぐんだ。



気がつくと私の前には一人しかいなかった。



あとちょっと…


もう少し…




並んだ…!!




真理!!





仁の声が聞こえた気がした。

前でスタンバイしている仁に向かって走る。

まだ並んだままだ。




「仁!!」

バトンを渡した時、仁が微笑んだ。



私は一気に力が抜けた。




仁…!!

頑張って!!

お願い…





二人は抜くことも抜かれることもなくゴールに向かって走る。




仁!!




祈るような思いで仁を見つめる






「ゴール!!」


ゴールテープはほぼ同時に切られた。




おい、どっちだ?

まわりがざわざわし始める。




マイクを持った体育の先生が出てきた

「えー、先ほど結果を発表する。」




お願い。




手を合わせて祈る。





「一位、五組」





その瞬間、歓声が上がった、