昼休憩も終わり、午後の部の開始を告げるチャイムがなる。
「プログラム十五番、玉入れに出る人は入場門に集合してください…」
「よし、行ってくるね、仁!!」
「おう。一個は入れてこいよ」
「まかせて。今年こそは入れてやるんだから」
そうだよ、ここだけは譲れない。
幼稚園の時から玉入れに毎年出場しながらも一度も籠に玉を入れられなかったこの悔しさ。
高校三年の今、晴らしてみせる。
「まあ、そんなに落ち込むなよ」
「うう、落ち込むよ」
「入らない時だってあるって」
「毎年入ってない…」
玉入れで見事に玉砕した私を仁が慰めてくれる。
いいやつだな、仁は。
「ほら、次のリレーで取り返すぞ」
「うん…」
「元気だせって。真理が頑張ってたのは見てたし」
笑う仁が私の頭に手を伸ばして
!!
今、頭撫でられてる?
確かに仁の手がのってるよ
小さい子をあやすように頭を撫でる仁に私は顔の火照りが止まらなかった

