体育祭当日―
晴れやかな空の下、吹奏楽部のファンファーレとともに高らかに開会宣言が響く
自分の団の優勝に張り切る生徒たち
競技の説明や校長先生の話が終わり
「これで開会式を終了します。引き続きプログラム一番、全校生徒によるラジオ体操です」
幼稚園の時からプログラム一番って体操になってたけど、決まってんのかな?
開会式の中でやればいいじゃん
にしても皆、こんな面倒なことさっさと終わらせてって顔してる
特に三年生は最後だから、かなり燃えている
緩いラジオ体操が終わり、競技に入っていく
「プログラム二番60m走、プログラム三番二人三脚に出る人は入場門に集合してください…」
係の声に移動する生徒
私はリレーと玉入れしか出ないから午前中は暇だ。
クラスのテントに戻り、仁を探す。
「仁!」
「ん?」
「仁はリレーと何出るの?」
「騎馬戦」
「そっかー。じゃあ昼まで暇だね」
「おう」
「私も昼からしか出ないんだ」
「どうせまた玉入れだろ?」
「どうしてわかったの?」
「昔っから玉入れでてたじゃん。一個も入らないのに」
「うるさいなー」
そう言いながらも仁が覚えてくれていたことが嬉しかった。