幼なじみの君に season秋→冬




気がつくと涙が溢れていた。


「どうしたんだ?」



仁が心配そうに私をのぞき込む。





その言葉もその表情も全部

まるで心に見えない壁ができたかのように

素直に喜ぶことを忘れ

ただ悲しみが広がった





「仁…」




ああ、私言おうとしてる。





「私ね」





たどり着いた答えを







「仁のこと」






言っちゃダメだ。



言わないで。





「友達みたいなんだ」





仁の悲しい顔なんてみたくないよ



自分の心と裏腹に言葉がでてくる





「彼女になれなかったよ…」





「…」


仁の顔は暗くて見えない。




「付き合っても何も変わらなかった」





「ただ肩書きが変わっただけ」





「そんな関係に私はだんだん何も感じなくなった」







「私にとって仁はきっとずっと幼なじみなんだと思う」







仁は動かない







「ごめん、勝手なこと言って。今まで付き合ってくれてありがとう。」






長い間消えなかった心のモヤモヤがはっきりとしてくる。




そして




私は最後の言葉を口にしていた。





「別れよ」






気がつくと真っ暗な空からチラチラと雪が舞っている。





一気に冷え込んだ。






「ごめん。ほんとにごめん。」


頭を下げる。



ぽん、と頭に仁の手がのせられる。


仁が口を開いた。




「それが真理の気持ちなら尊重する。でも、それでも俺は真理のことが好きだ。幼なじみとしてじゃなくて。だから俺は真理を待つ。」





仁…

ごめんね…




顔を上げると、仁は微笑んでいた。






「俺が好きなのは真理一人だ。」








冷えきった心に仁の言葉が染み渡っていった