商店街を抜けて少し歩いたところにある公園は、私たちにとって思い出の場所だ。



幼稚園の帰り、毎日ブランコを漕いだ。

仁のお嫁さんになるって言ってたなあ。


どこからか野良猫が住みついたので、親には内緒で残した給食のパンを与えた小学生の頃。

二人だけの秘密だよって指切りして。




さすがに中学生になったらお互い部活で忙しかったけど。

部活帰りに寄るのはいつもここで、思春期真っ只中でも二人でベンチに座って話したなあ。

勉強のこと、クラスのこと、部活のこと。

恋愛話は仁があんまりわかってなかったからほとんどしなかった。




そんなことを考えながら歩いていると、懐かしい景色が目に入ってきた。



入口に立つ二本の石の柱には、もう削れてほとんど読めないが公園の名前が彫られている。



あれ、前までは柱を見上げていたのに、今は同じくらいの高さだ。




ふと、ここに来たのが久しぶりだということを思い出す。


そうか、高校に入って一度も立ち寄ったことなかったなあ。



あの頃は毎日ここへ来ていたのに。






懐かしくもなんだか寂しかった。