そういう毎日を送っているうちに、1か月がたった。



スマホ依存症を治すにはスマホを一週間手放すことだっていうけど、本当にそうだった。




今までは毎日仁に会って話して、休みの日には出掛けたりしたかった。




でも、今はそう思わない。




そりゃ、仁と話せたら嬉しいけどね。





前みたいに、仁のことで一喜一憂しなくなったんだ。





あと少し我慢すればいっぱい仁と話せる。





そう思って頑張る。







そんな私に、これまた何度目であろう模試がやってきた。




これで結果を出さないと。

出せなかったら、先生に全力でワンランク下げろって説得されるんだろう。

それに、私のモチベーションのためにも。

勉強の成果をせるように。

心して臨んだ。






そして、結果は―







「う、そ…」





模試の結果を目にして私は息を呑んだ。






そこには、判定Bの文字。






「良かった…」





一気に力が抜ける。




「あらあら、まだ合格が決まったわけじゃないのに」


「もう、お母さん。そうだけどさ…」


「ふふ、頑張った証拠だね。」



「うん…!」




「あともう少しだから、悔いの残らないように精一杯やりなさい」




「うん、頑張るよ」



窓を開けて月を見上げる。


曇りのない大きく満ちた月だった。


私、頑張る。


今までは良くてD判定だった。


もちろんこの結果に甘えてはいけない。


でも大きな自信につながった。




絶対に合格してみせる。





頬を撫でる風は冷たかったけれど、それを忘れるくらい私の心は燃えていた。