焼きそばの麺とキャベツを自転車に乗せて、私たちは学校へ向かった。
「ねー」
「ん?」
「模擬店の係ってローテーションだよねー?」
「そうだな」
「私、Aだけど」
「は? 」
「だから、Aグループだよって」
「それがどうした」
「もう!」
「なんでそんなに怒ってんだ?」
「仁はグループ何なの?」
「俺もAだけど」
「グループが一緒だから、休憩時間も同じ時間でしょ」
「それがどうした」
はぁーーーーー。
私は盛大にため息をついた。
「一緒にまわろうって言いたいの!!こんなこと言わせないでよね、仁のバカ」
「なんだ、そんなことか」
ははは、と笑う仁。
「俺は最初から真理とまわるつもりしかなかったから、もっと別のことかと思った」
「…!」
今、私の顔は真っ赤だろう。
「あー、もう。仁のバカバカバカ」
照れた顔を見られないように、私は全力で自転車を漕いだ。
仁はすごく鈍感だけど、実はすごく計算高いのかもしれない。
そう思いながらも、仁とまわることができるのがとても楽しみだった。

