質問は分からないが、答えはYesかNoの2択。


という事は、適当に答えても間違っていない可能性は半分ある。


そう判断した上で守が口を開いた。


「えっと、……Yes!」


悩んだ末に出した答えだったのだが、それに修二が眉間に皺を寄せて目を細める。


明らかに守の答えに不満があると言わんばかりの目。


「な、何だよ?」


自分の答えが間違っていたのかもしれないという不安から修二へ睨みを効かせながらも吃ってしまった守に対して、スッと修二は顔を背けて「別に…」と言うだけ。


その態度に苛立ち、チッと舌打ちをする守を他所に、自分の事で精一杯らしい桜は哲夫に顔を向けて次の質問を放つ。


「Is it a thing to use in a house?(それは家の中で使う物ですか?)」

「んー、…No」


少しだけ首を傾げてからの哲夫の答え。


守の様に質問が分からなかったというよりは、答えに迷ったという所だろう。


それに桜も気付いたのか、顎に手を当て床へと視線を落とす。無心に答えだけを考えている。そん状況だ。