「あー、Does it……use the battery? (それは電池が必要ですか?)」
少しだけさっきまでの質問とは変わった言い方。それだけで一気に守の頭を混乱へと導いていく。
何て言ったのか分からない。
どう答えたら良い?
どう答えるのが正解だ?
俺は、……どっちを言えば良い?
ぐるぐると頭の中を回るそんな考えを桜が知る筈もなく、答えを言えという真剣な目を守へと向けてくる。
別に脅されているわけでもないのに、脅迫されている気分にさせられる。
まるで、桜からの視線がネット上で自分を脅してきたコマツの様に感じてしまう。
守はネット上で会話をしただけで、コマツの顔を見た事はない。
それでも守にとっては自分を脅してきた恐ろしい存在で、今最も憎む相手。
あの紙に書かれていた相手は間違いなくコマツの事だ。つー事は、……この中にコマツが居るって考えるのが筋が通る。
この桜っていう女が俺を脅していたコマツの可能性だってあるわけだ。
「守さん?」
何も言葉を発せずにコマツの事を考え出した守に桜からそう声が掛かった。
答えの催促の為だ。


