桜が部屋に入ってドアを閉めた瞬間、それを待っていた様に、ブゥン…という音と共に画面に映し出される絵。
「趣味わりぃ絵だな」
絵を見た守が眉間に皺を寄せてそうポツリと漏らした。
サバイバルナイフの先端に真っ赤な血が付いているその絵。
サバイバルナイフと答えるだけで良いのなら、何とか正解まで辿り着けるかもしれない。が、先端に血が付いている事も言わなければならないのなら、正解までは程遠い。
その答えすらも分からない絵を出してくる辺り、犯人は捕まえた者をここから出す気はないのかもしれない。
ただこの理不尽なゲームをするのは桜であって守ではない。
その事に守はホッと胸を撫で下ろした。
「この絵も僕達が拐われたのに何か関係があるんですかね?」
「うーん。今は何とも」
修二が哲夫へと真剣な顔付きで質問しているが、自分の安全が分かった守にはそれも気にならない。
その時、桜の大きな声が聞こえてきた。
「あの!もう大丈夫ですか?」
桜がこの部屋に戻って来た瞬間、画面の絵が消える。それの確認だろう。
それに哲夫が、
「ああ。もう戻って来てもらって大丈夫だよ」
と返事をすると直ぐに、桜のドアが開いた。


