ただ、修二は守側というわけでは無かったらしい。
「ただ、……僕達を誘拐した犯人じゃなくて、この中に幼児誘拐殺人犯が居る可能性も無きにしもあらずです」
「私達の中に、……幼児誘拐殺人犯が…居る」
「可能性ですけど」
一度は守も行き着いた考え。
ただそれは無いだろうと勝手に思って排除した。
そんな有名な殺人犯を誘拐した犯人は、人知を越えた者だという恐怖を消したかったから。
そんな守の恐怖心など知る由もない哲夫と修二は、話を進めていく。
「確か幼児誘拐殺人犯の体型はひょろっとした細身だった様な」
「だから、男か女かも判断が付かなかったんですよね」
「ああ」
哲夫や修二が言うようにこの中に幼児誘拐殺人犯が居るとしたら、ひょろっとした細身の体型は一人だけ。
さっきから怯えた様に震え続けている桜だけだ。
だから守は桜をキッと睨み付けると、
「おい!この中に居るんなら早く名乗り出ろよ!」
わざとそうすごんで見せた。
が、そんな守に冷たく貫く様な視線を向けてくる哲夫。


