それでも哲夫はこの中で一番年長だからか、ふうっと息を吐くと、
「何がだい?」
そう守へと訊いてくる。
その質問に待ってましたとばかりに更にニヤつく守は、結局の所早く言いたくて仕方が無かったのだ。
「あれさ。幼児誘拐殺人事件に関する新聞記事が大量にな」
一気に静まり返る部屋の中。
守以外の3人の顔色が一気に悪くなるのが見てとれる。
彼らも守と同様に13年前の幼児誘拐殺人事件が、関係していると確信してしまったのだ。
その中でも一際怯え、目に涙を溜めて震えているのはやはり桜だ。
「そ、それって……」
それ以上彼女の口からは言葉が出てこない。
だが、場の空気が守の意見へと傾き始めたかと思ったその時、哲夫が声を張り上げた。
「ま、待て待て!私達を誘拐した犯人がその幼児誘拐殺人犯と同一人物だとしてだ。自分が犯人だとそんなに簡単に教えてしまうものかな?」
「どうせ、恐怖を煽りたいんだろ。そんで怯えてる俺達を見て笑ってんだよ」
嫌な趣味の犯人だ。
そんな思いから、そう言った後に守がチッと舌打ちをする。
「守さんが言う事も一理ありますね」
「まあ、そうだが」
ここにきて修二までもが守の言い分を支持する様な事を言うからか、勢いのあった哲夫も視線を床へと落とした。


