早く飲もうと思い口へと運ぼうとした時、疑う様に紙コップの中のお茶を見つめていた守が、
「これ、毒とか入ってねぇのかよ?」
そう口にした。
思わずピタッと由里子の手が止まる。
それと同時に守の言葉に顔を真っ青にさせる桜。
「えっ!ど、どど毒ですか!?わ、私、……の、飲んでしまいました」
吃りながらそう言う桜はもうお茶を飲んでしまったからか、空っぽになった紙コップを逆さまに向けて持っている。
「桜さん。気分は?」
「な、何も」
哲夫が心配そうに訊くが、どうやら桜の身体に変化はないらしい。
「なら、大丈夫という事ですよ。この場所は直ぐ様僕達を殺す為には作られてませんから」
「全くだ」
修二の言う事に首を縦に振る哲夫を見てか、桜の青ざめた顔がホッとした表情へと変わった。
「よ、…良かった…です」
それにしてもだ。お茶まで用意されているこの場所に監禁し、謎のゲームをさせる。
かと言ってゲームに負けても死ぬなんて事は無く、罪をバラされるだけ。