全員の答えを聞いてから桜が「じゃあ」と言って、お茶の入ったペットボトルの蓋を開け、人数分取り出した紙コップへと注いでいく。


5つ全部に注ぎ終わると、桜はそこから1つを持って守の方へと歩いていくと、どうぞ。と守へとそれを手渡した。


そのまま方向を変えて今度は修二へと紙コップを手渡すと、残り2つを修二の前へと置く。


「あ、あの。これ回して頂けますか?」


手枷と足枷のせいで桜の場所からは、守と修二に渡すことしか出来ないのだ。


「分かりました」


桜へそう答えると、自分の分の紙コップを床に起き、目の前に置かれたお茶の入った2つの紙コップを手に取る修二。


そして、今度は修二が隣の哲夫へと向かっていく。


「はい。哲夫さんどうぞ。後こちらを由里子さんに」

「ああ」


修二から受け取った1つを哲夫が由里子へ。


「はい」

「ありがとう」


由里子の手に渡った白の紙コップに注がれた茶色のお茶が揺れる。


それを目にするだけで、喉の渇きが強くなるのが分かる。