なのに、結果は由里子の負け。
由里子に勝たせたくなかった人が、この中に確実にいるという事だ。
「で、正解は?」
最後の紙を読み上げた所で止まってしまった由里子に、哲夫がそう声をかける。
それにハッとして「あっ、…そうね」と慌てて言う由里子は動揺を隠しきれていない。
「『姑息』の正しい意味は、……『一時の間に合わせにすること。その場しのぎ』よ」
「って事は……」
そこまで言って言葉を切った哲夫が、眉尻を下げて由里子を見てくる。
何も言わなくても、もう皆が由里子の負けに気付いている。そんな状況。
その時、またあの忌々しい音が響いた。
ブゥン……
音が聞こえると共に全員が上を見上げる。
見上げた先にある画面に映し出されていたのは、
『出題者の負けwww』
という人を馬鹿にしたような文字だ。
その文字への苛立ちから由里子がキリッと唇を噛んだ。
ゲームのルール説明は普通だったのに、負けた途端に子供みたいな態度をとるこの犯人に腹が立って仕方がない。
そんな感情が溢れてくる。


