「じゃあ、不正を行えない様に『姑息』の意味を書いておいた紙は、そこの椅子の上に置くわ」
そう言いながら真ん中にある電気椅子へと歩を進めると、守の物を置いた時と同じ様に正しい意味の書かれた紙を置いた。
そして、由里子は手元にあった4枚の紙の中から1枚目をゆっくりと開いていく。
バクバクバクと煩い心臓の音が由里子の頭に響く。
徐々に見えてくる文字。
1枚目に書かれていたのは『卑怯なこと』だ。
「1枚目は、『卑怯なこと』」
そう口にする由里子の顔に安堵の表情が浮かぶ。
『姑息』の意味は『卑怯なこと』ではない。
だが、この回答をする人が7割も居るのだと由里子は、以前に見たテレビで言っていたのを思い出したのだ。
『姑息』の本当の意味は『一時の間に合わせにすること。その場しのぎ』である。
由里子もテレビで見るまでは、卑怯なことという意味合いで使っていた一人だ。
そして、開いた1枚目の紙に回答を書いた人物は現在も間違って使っている一人。


