そして、由里子は知っているのだ。
彼の車のフロント部分に擦り付けられた犬の糞。その上に、後から付いたのか金色の1本の髪が付いていたのを。
ストーカーは『金髪』だということを。
『フォト』と『コマツ』の事を話した時の動揺。
この中で唯一の金髪。
由里子の姉のストーカーであり、由里子の憎む人である『フォト』は、
……間違いなく『時任守』だ。
それが分かった事で、僅かに片方の口角を上げる由里子。
そして4人へと目配せをすると、「じゃあ、ゲームを始めましょっか!」と口にした。
桜が持ってきた紙と鉛筆を配り終わると、ピタッと後ろの壁に凭れた由里子が国語辞典の指定されたページを探す。
62,63ページを開いた時、由里子の目に入ったのは『こ』だ。
このページは『こ』で始まる言葉が載っているらしい。
が、全てに目を通した瞬間、由里子の顔から血の気が引く。
小学生ならまだしも、大人が知らないだろう言葉が無いのだ。


