「僕達の事を見てる…って事ですね」
修二のそんな呟きに、コクリと首を動かして頷く。
ドクドクドクと大きな音をたて続けている由里子の心臓。
なかなか動く事の出来ない由里子に「早くしろよ!」と守からの野次が飛んだ。
「わ、分かってる」
強気でそう言い返すも、国語辞典を持っている手は小刻みに震えていて。
「緊張するものね。こういうのは」
そう言ってニカッと笑い震えを誤魔化す。
何で、私ばっかり……。
そんな気持ちに押し潰されそうになるのをグッと堪えると、守へと声を掛けた。
「そういえば、守さんは昔からその髪色なの?」
「なんだよ。だったら文句あんのかよ!」
「いや、綺麗な色だなって思っただけよ」
「まぁな」
唐突に持ち出したのは、ただの髪色の話。
だが、これは由里子にとってかなり重要事項なのだ。


