彼との記憶を振り払う様に1度大きく首を横に振った由里子。
罪が怖い。が、ゲームをやらなければこのまま何も進まない。
やるしかないのだ。
「と、兎に角、……国語辞典持ってくるわ。桜さんは紙と鉛筆お願いね」
「あっ、はい」
桜に声を掛けると、再びパソコンだらけの部屋へと歩を進めていく。
負ける事を考えちゃダメ!
勝つ事を考えるのよ!
勝てれば、手枷が外れるのは私だけ…なんだから。
由里子はそういう風に無理矢理思い直すと、ギュッと歯を食い縛った。
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由里子が皆の居る部屋へ戻ってくると同時に、桜も手に紙と鉛筆を持って戻ってくる。
「持ってきたけど、いつ始めたら良いの?」
手の中の国語辞典へ視線を落としながら首を傾げてみるも、皆も首を傾げるのみ。
その時また、ブゥン…というあの嫌な音が響いた。
顔を上に向けると『ゲームスタート』の文字。
由里子の言葉を待っていたかの様なタイミング。
犯人は、……間違いなく由里子達を見ている。


