鍵が貰えるのはかなりの特典だ。が、負けた時の罪をバラされるというのが怖い。その罪というのも見当が付かない。
そして、何よりこの状態で一番最初に罪をバラされるのが自分かもしれないというのが一番嫌だ。
出来ればやりたくない。
そんな思いが強かった為に、ゲームをする事が出来ない事に少しホッとした由里子だったが、その安堵も桜の言葉で消えていった。
「あの、…その。紙と鉛筆は私の部屋に置かれてました。……丁度5個づつ。造りがキッチンだったので、あっても普通で気にしてませんでした」
「じゃ、じゃあ……」
ゲームをする為の材料が揃ってしまった。
「完全にゲームをしなきゃならないって事だね」
哲夫がそう言いながら由里子へと顔を向けてくるが、それに返事をする事が出来ない。
カタカタと僅かに震える由里子の指先。
「つ、…罪って……」
負けた時にバラされる罪が気になって仕方無いのだ。
罪なんか、……私にはない。
ない。
ない。
あるとしたら、……彼との事。
由里子の頭の中を駆け巡る彼との日常。
あれは、……罪なんだろうか。


