「何なの、……これ」
電気椅子に動揺してそう声を漏らすが、由里子の視界にはもっと不思議な光景が映り込んでくる。
床も天井も壁も真っ白な5角形の部屋。
その5角形の壁は一面が15メートル程はあり、この部屋自体がかなりの大きさがあるのが分かる。
更にその壁の丁度中間にはそれぞれ真っ白なドアがある。
そして、そのドアのある壁の前に座っている人。
それは由里子も含めて、この5角形の部屋に合わせてか丁度5人。
上を見上げれば、白い天井には50インチ程のテレビの様な画面がつけられている。
どうやら、その左側にある剥き出しの裸電球4個がこの5角形の室内を照らしているらしい。
由里子が困惑顔でキョロキョロと部屋全体を見渡している時、不意に由里子の顔を覗いていた男が立ち上がると話し出した。
「まあ、あれだ。一応全員が目を覚ました事だし自己紹介はしておいた方が良いかもしれないね」
一斉にその男へと、この部屋に居る残りの顔が向けられる。


