自分の事しか考えていない相手に自分の事を喋らせる方法。
そんなのは結構簡単な事だ。
「あのさ。私達、今から部屋の中に何があったのかとかを報告しあおうと思ってるんだけど、守さんはやる?」
「ハッ!何でそんな事言わなきゃなんねぇんだよ!」
由里子の問い掛けに予想通りに突っ掛かる守。
だが、
「憎む人が誰か分かるかもじゃない」
そうニヤッと笑ってみせる。
守にとって好都合なのだと思わせる事。
たったそれだけで守はきっと自分の入った部屋の事を話し出す。
「……やっぱりお前らの中に居るんだな」
「さあ?守さんが何で憎んでるのかも分からないのに分かるわけないし。逆恨みっていうのもあるでしょ」
「確かにその場合だと、憎まれている相手も分からないですね」
由里子の言葉に付け足す様に修二が口を挟む。
どうやらそれが守の気持ちを簡単に動かしたらしい。


