この部屋は一通り目は通した由里子。
残すは、この部屋に何故かまたあるドアだけ。
ジャラジャラと鎖を鳴らしながらそのドアへと向けて進んで行く。
鎖の長さは思いの外長く、今居るこの部屋なら全て見て回れる程だ。この部屋が小さいというのもあるのかもしれないが。
ドアの前まで来ると、一度ゴクッと息を呑む。
この部屋のドアを開けようとした時と同様に、バクバクと心臓が音をたてる。
僅かに震える由里子の手がドアノブへと掛かる。
今度もさっきと同じで、レバーハンドルのドアだ。それを下へと下げるとゆっくりとドアを開く。
「えっ……。何だ、ただのトイレじゃん」
由里子の目の前あるのは一般的な洋式トイレだ。
何か変わった所は無いかと調べてみるも、何も変わった所もない。
水洗トイレらしく、水だってちゃんと流れる。
「電気も付いてるし、水と電気は通ってるって事か」
由里子は一人そう呟くと、顎に右手を添えて少し首を傾げる。


