密室ゲーム



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靴を履き替え再び合流した中町と生徒達。


そして運動場に出て、クラスの皆が居る場所へと向かって歩を進めていた時、後ろから和樹が中町の服の袖をツンツンと軽く引っ張った。


中町が後ろを振り返ると、和樹が他の皆に聞こえない程度の小さな声を出す。


「中町先生、ちょっといい?」

「どうしたの、和樹君?」


和樹に合わせて中町も声を小さくして首を傾げると、和樹があのね…と小さな声のままで話し出した。


「お兄ちゃんが最近凄く易しくなって、もうすぐ通信制の高校にも行くんだって。それでね、お兄ちゃんから中町先生に伝えてって言われたんだ」

「何を?」

「ありがとうございました。って」


和樹の兄からの伝言。


それに、中町はクスッと笑い声を漏らした。


そんな中町の様子を不思議に思った和樹が首を傾げる。


「中町先生、お兄ちゃんに何かしてあげたの?」

「うん。ちょっとね」

「何を?」

「んー。そうだな。和樹君のお兄ちゃんと先生との大人の秘密」


人指し指を唇に当てる中町に、和樹はぷうっと頬を膨らませて不満顔。


「えー!」


と大声まであげる始末だ。


だが、中町はそんな和樹を見て楽しそうに笑うだけ。


そして、

「さあ、ドッジボールするぞ!」

と言うと、クラスの皆が集まっている場所へと駆け出した。