そんな中町に、智恵理と呼ばれたショートカットの女の子が少し恥ずかしそうにしながら、スッとCD-Rを差し出した。
「これ。また、なかまっちゃんに聴いて貰おうと思って。明後日が発表会だから」
その言葉に中町が満面の笑みで、両手をパチンと打つ。
「劇団の発表会、明後日なのね。楽しみね!うん。任せて。聴いて明日にでも感想言うわね」
「ありがとう!」
ニコッと笑う智恵理の隣で、おさげの美保も、良かったね…と言って智恵理の肩をぽんっと軽く叩いた。
微笑ましい光景に、自然と中町の頬が緩む。
そして、智恵理からCD-Rを受け取ると、中町が智恵理の以前聴いた練習の感想を口にした。
「智恵理ちゃん頑張ってたもんね。特に『パパ、助けて!』っていう智恵理ちゃんの演技の後の『助けて、……あなた』っていう所は、こっちまでドキドキしちゃうもの」
「ママがいつも練習に付き合ってくれるから」
褒められた事が嬉しくも、少し恥ずかしいのか、照れ臭そうにそう言う智恵理。
だが、やはり嬉しい気持ちが勝ったのか、
「優しいお母さんだもんね」
の一言に、ニコッと笑って「うん!」と言う姿は子供らしい可愛さを纏っている。


