中町の遠い親戚に当たる芸術家が造った家で殺人事件が起こり、警察からその事について訊かれる事になった中町を、校長は心配していたのだ。
中町の様子に安堵した校長が、運動場が見える窓へと視線を向ける。が、直ぐにまた中町の方を見ると少しだけ眉尻を下げる。
「それよりも、中町先生はクラスの子達のケアを宜しくお願いしますね」
「分かってます」
「大変だろうとは思うんですが」
「大丈夫ですよ。私、子供は大好きですから!」
ハキハキとした口調でそう言い切る中町に、満足そうに、「そうですね」と校長も口にした。
その時、
「失礼しまーす!」
という女の子の声と共に、ガラッと職員室のドアが開く。
そのまま職員室へと入って来たのは、ショートカットの活発そうな女の子と、肩までの髪をおさげにしている女の子の2人だ。
その2人は中町を見付けると、「なかまっちゃん!」と呼びながら、中町の方へとやって来る。
この2人は、中町のクラスの生徒なのだ。
「智恵理(チエリ)ちゃんと美保(ミホ)ちゃん。2人ともどうしたの?」
椅子をクルッと回して、2人に向き合い首を傾げる中町。


