「福西……」
福西は犯人ではなかった。気絶していた福西の横に修二が居た時に、5角形の部屋と繋がっている入り口の前に犯人が居たのだから。
人形の格好をした犯人が。
どうやってそうなったんだ?
そんな疑問を抱きながら、ふぅっと息を吐くと、枕元にある棚に置かれた時計へと目を向けた。
「もうすぐ5時」
11と12の間にある長針を見てポツリとそう呟く。すると、母親も修二の目線を追って時計を見た。
「そうね。後2時間とちょっとで修二も20歳ね」
母親のその言葉に目を見開く修二。
「えっ?誕生日は今日だよね?」
「誕生日はね。産まれた時間は夜の7時12分よ」
「そ……なんだ」
修二は自分の産まれた時間まで把握していなかった。ただ、修二だからではなく、一般的に産まれた時間まで覚えている人は少ないだろう。
だが、その『産まれた時間』という言葉と最後に聞いた犯人の言葉が1つに繋がる。
その為、生きているという現状から犯人は殺すつもりがなかったのだと修二は思っていたのだが、それは違うのかもしれないという考えに変わった。


