福西は何かを隠してる。
「確かに家族を助けたかったという気持ちがあったというのは、本当だと思ってます。でも刑事だったなら、警察に言った方が誘拐の場合、助かる可能性が高いのも分かりますよね。
なのに貴方はそれをしなかった。家族の誘拐以外の他に何かあった…と考えるのは普通です」
「ふーん。なるほど」
修二の説に納得した様に首を縦に振る福西。
そして、修二の顔をじっくりと観察する様な視線を寄越す。
数秒そうしていたかと思うと、今度は大きな溜め息を吐いた。
「確かに、一人で行動したのはもう1つ理由がある。警察には言うな。一人で来い。そうすれば、…………幼児誘拐殺人犯にも会わせてやる。って言われちゃな」
「そういう事…ですか」
福西は数少ない休日すらも、幼児誘拐殺人事件を捜査していた。この事件に相当のめり込んでいたわけだ。
だからこそ、その犯人に会える。誰か分かるかもしれないという好奇心を消し去る事が出来なかったのだ。
さっきまで家族の為と言い張っていたからか、福西が居心地悪そうに修二から視線を逸らした。


