「これに書かれている決められた文字を決められた順番で打つだけ」
そう言って、パソコンの横に置かれていた説明書の様な冊子をパンッと軽く叩き、「決められた時間にね」と更に言葉を続ける福西。
その『時間』という言葉に修二が目を見開いた。
「時間が分かるんですか!」
「ああ。時間が気になるのか。なら、そこに時計がある」
福西か指差した壁には時計が掛かっており、カチ…、カチ…と秒を刻んでいる。
「4時13分。朝のですよね?」
「勿論。君達全員が目を覚ましたのは、夜中の12時過ぎだ」
目を覚ました時点で、修二はもう20歳になっていたという事だ。
「君達はここに来てまだ数時間しか経っていないってわけさ。私は、もう1週間になるがな」
福西から自嘲気味の笑い声が漏れる。
「1週間もですか?」
「そうさ。1週間前に久し振りに戻った自宅で脅されたからな」
「その時、……奥さんと娘さんは?」
そう訊いておきながら、修二はその答えが予想出来ている。


