「じゃあ、後で」
「ええ」
そう哲夫に返事をすると、部屋の中へと歩を進めていく由里子。
目に映るのは、さっきと同じでズラッと並んで置かれているノートパソコンだけ。
まだ閉じていなかったパソコンの前に来ると、そっと画面へと手を触れた。
画面の左端から右端まで指の腹をスーッと走らせる。と、ガタッとした凹凸にぶつかる。
爪先でその凹凸をカリッとさせると、ほんの少しだけ画面の端が捲れた。
これ、ただのシート……。
この画面の映像は白いシートの様なものに印刷されて貼られているだけ。
実際にネットに繋がっているわけじゃない。
電源を入るかどうかを試してみるが、電源は入らない。
そりゃ、……そうよね。
電源が入るわけがない。ましてや、ネットが繋がる筈がない。
ネットが繋がってたら、今すぐ助けを呼ぶもの。
そしたら、ここが何処かは分からないけど捜査は始まる。そんな自分が不利になる状況を犯人自ら作るわけがない。


