そして、喉を鳴らして修二が言っていた様に一気にグラスに注がれていた酒を飲み干すと、「ぷはぁ……」と言いながら哲夫が口元を左手の甲で拭った。
「いやぁ、美味しいよ」
哲夫が酒に満足し、にっこりと微笑んで修二へと顔を向ける。と、修二が今まで見た事もない嫌な笑みを向けていた。
そして、
「本当に、……美味しいですか?それ?」
そう疑問を投げ掛けてくる。
その瞬間、哲夫の目に映るニヤリと笑う修二の顔がぐりゃりと曲がる。
修二だけではない。その後ろの白い壁は波打っているかの様。
「えっ……、うっ……」
突然きたその症状に動揺するも、次は胃からせり上がってくる気持ち悪さに口を左手で抑える。
「美味しい……ですか?」
再び修二のそんな言葉が聞こえてくる。
「おま…え、……毒を……もって…………のか?」
揺れる視界になんとか修二を捕らえ必死に言葉を紡ぐも、胃の不快感から上手く言えない。
そんな状態の哲夫を見て、修二が可笑しそうにクックッと喉を鳴らした。


