「真面目だねぇ」
今時20歳になっていなくても、アルコール飲料を飲んでいる奴なんて山ほど居るのに。
そう思っての言葉だったのだが、修二は左手でくしゃっと髪を乱すと、視線を上へと向けた。
「まあ……。誰に見られてるか分からないっていうのもありますけど」
天井を隅々まで確認する様な修二の目の動き。それに、今自分達が置かれている状況を再認識させられ哲夫がゴクッと息を呑む。
「確かにね」
ゲームが終わると、直ぐに画面に映し出される文字からして、犯人が自分達の行動を見ているのは間違いないだろう。
それに酒にどれくらい強いかも分からない状態で、酒を口にするのは危険でもある。
そう考えると修二が酒を飲むのを止めておくのは良い判断だといえる。
「じゃあ、私だけだが一杯頂くとするよ」
グラスの中で揺れる茶色の酒を、修二の「はい。どうぞ一気に」を合図に口へと運ぶ哲夫。
喉へと流れていく酒のアルコールが、喉を熱くさせ食道を通り過ぎていく。その感覚に、思わず哲夫の頬が緩む。
緊張した状態での大好物の酒はまた一段と哲夫には美味しく感じられる。


