そんな哲夫に顔を向けていた修二が、何かを思い出したようにパチンと手を打った。
「あっ!そういえば、また部屋の確認しに行きましょうか?」
「ああ。そうだね。何も変わってない気もするが、確認はしておかないとね」
「ですね」
今までゲームが終わると、確認をしに部屋に戻っていた。が、一度も変化はなかった。
今回も何も変化はないのではないかという考えも哲夫の頭の隅にあるものの、今の置かれている状況を考えると、少しでも怪しいと思った事を見逃すのは命取りになる可能性もある。
細部まで考え、行動する。
それが必要とされる状況に今は置かれているのだ。
「じゃあ、確認して来ます」
「私も見てくるよ」
哲夫がドアの取っ手に手を掛けると、修二がドアを開ける為に動かした右手から、ジャラジャラ…と鎖の音が鳴る。
もう自分の手を動かしても鳴らないその音。
その事に哲夫はニヤリと笑うとドアを開け、部屋へと足を踏み入れた。


