ガシャンという音と共に、今さっきまで哲夫の右手についていた鉄輪が床へと落ちる。
「手が、……手が、…………自由だ」
自分の自由になった右手を見つめたまま、そう呟く哲夫。
それを目にした修二が顔を綻ばせて息を吐いた。
「良かったです。後は足だけですね」
「あ、ああ。私も修二君が次のゲームで勝てるように協力するよ」
「ありがとうございます」
修二に顔を向けにこっと笑う哲夫に、修二がそう言いながら少しだけ頭を下げる。
手が自由になった哲夫と違って、修二は未だ手も足も自由ではない。
明らかに哲夫が優位に立っている様に思える状況。
その事に安堵すると、再び哲夫は自分の手を見つめた。
そして、ギュッと握り締めては開くという動作を何度も繰り返す。
鎖が離れた手は軽くなり、その動作をする事で更に自由になったという実感が溢れてくるのだ。


