「電球が、……落ちたのか」
突然の事に状況が把握しきれず、電球がもとあった天井と、下に落ちて割れた電球を交互に見やる。
そんな中、哲夫の動揺を掻き消す修二の大きな声が響いた。
「哲夫さん!その落ちた電球、見てみて下さい!」
「ん?」
修二が真っ直ぐ指差す先へ目を向ければ、ガラスの破片の中にくすんだ銀色の物が1つ混じっているのが分かる。
「これは…」
摺り足でその床に落ちている銀色の物へと近付いていくと、そっと親指と人差し指でそれを摘まみ上げた。
「鍵……ですね」
修二が言う通り、銀色の鍵が今哲夫の手の中にある。
多分、哲夫の手枷を外す事の出来る鍵が。
「まさか、電球の中に鍵が入ってるとはね」
「真ん中に落ちて良かったですね」
「ほんとにね」
哲夫のいる場所の反対側に落ちていたら手に取る事は出来なかったその鍵。
電球がある場所から考えれば、真ん中に落ちる様にはなっているのだろうが、もし落ちなかった場合を想定すると、ここにいる者の協力というのは必要不可欠だという事だ。


