「じゃあ、私が後攻でいいよ」
修二に向かってにっこり微笑んでそう言うのは、策略の1つ。
今からするこのゲームは、2人でするのなら必勝法があるのだ。
哲夫の提案に対する修二の返事で、哲夫の勝利が確定するか、しないかが決まる。
そして、
「あっ、はい。じゃあ、僕からで」
その返事で哲夫の勝利が確定した。
僅かに哲夫の口角が上がるが、そんな哲夫の変化に修二は気付いていない。
何も知らずに数字を紡ぐ。
「それじゃ、……1、2」
「3、4」
「5、…6、7」
「8」
「9、10、11」
「12」
修二、哲夫と交互に言い合う数字。
最初こそ修二は考えて言っていた様だが、その後はぽんぽんと数字を言っていく。
そして、同様に哲夫もその流れを止める事はない。
「13」
「14、15、16」
「17、18」
「19、20」
「21、22、23」
「24」
「25、26」
「27、28」
「29」
色々考えてか、言う数字の数を修二は変えてくるが、それに哲夫が考えている様に顎に右手を添え視線を下に落とす。
が、それも格好だけ。
哲夫が言う数字は決まっているのだから。
「30、31、32」
この数字だと。


