「負けても何も無いっていうのは、ありがたいけどね」
「何かバレたくない罪が?」
修二のその問い掛けに哲夫が苦笑いを漏らす。
「人なら誰でも1つや2つ秘密があるものさ。小さな事だけどね」
軽い口調で紡がれるその言葉に修二も納得したのか、「そうですね」と哲夫同様苦笑いを漏らした。
その時、次のブゥン…という音と『ゲームスタート』の文字。
それを確認した哲夫が、守のいるだろう部屋のドアへとゆっくりと視線を向ける。
「で、守君はどうしようか?」
「あの音でも出てくる気配はないですね」
「困ったな」
全く部屋から出てこない守が出てくるまでゲームを始める事も出来ない現状。
今の哲夫にとっては、それが一番の不安要素だ。
今までのゲームは全て答える側の負けとなっていた為に、未だこのゲームに勝つ事で本当に鍵が手に入るのかも分かっていない。
哲夫としては、この辺りで本当に手枷を外す事の出来る鍵が貰えるかを確認したいのが本音だ。勿論、自分が勝ってという前提で。


