それでも修二の、
「そう…ですか」
という言葉が返ってくる意外は誰も問い詰めてはこない。
知り合いでもないからか、それとも誰かとの関わりを極力持ちたくないからか。
答えは分からないが、その事に由里子はホッと息を吐いた。
「いやぁ、ありがとう。由里子さんのお陰でこのドアの中へ入っても大丈夫だという事も分かったし、ここから出る手掛かりが何か見付けられるかもしれないよ」
「役に立てて良かった」
哲夫へとそう言いながら由里子が微笑んだ時、守の声が響く。
「で、部屋の中に出口はあったのかよ?」
不満そうな顔と共に唇を尖らせているその仕草からは、早く見てきた中の様子を言えと言う事なのだろう。
「出口は無かったと思うけど、まだ全部をしっかりと見たわけじゃないから」
「ふーん。まっ、あんたが無事だったって事は俺のこの後ろのドアも大丈夫だろうし、俺は自分で出口を見付けてやるよ」
それだけ言うと唐突に立ち上がり、後ろにあるドアへと手を掛けるとグイッとドアを開く守。
そして、そのままジャラッ、ジャラッと鎖の音をさせながら部屋の奥へと進んで行く。


