密室ゲーム



準備が終わると、紙コップの袋の封を開けた上の部分を左手で持ち、封がまだ開いていないように見せる。そして、右手に冷蔵庫から取り出した未開封のお茶のペットボトルを持って部屋を後にした。


5角形の部屋に戻ると、紙コップの袋を今開けているように手を動かし、ペットボトルの蓋を安全だという事を証明する為に大袈裟な位力を入れて開ける。


そして、液体の入った一番上の紙コップをスッと取り出すとそこへ動じる事なくお茶を注いだ。


桜はマジシャンでも何でもないただの主婦。


それでも、今ゲームに負けたという事に動揺している由里子が、桜のこの行動に違和感を感じる事はほぼ不可能。


自分の目の前の床にお茶を注いだ紙コップを置くと、再び紙コップを1つ取り出してお茶を注ぐ。


それを桜は繰り返した。


目の前に並ぶ5個のお茶の入った紙コップ。


この中に毒薬が入っているのは1つだけ。この1つを由里子に渡す方法は至ってシンプルだ。


先ず毒の入っていないお茶を左隣の守へと渡す。


次は同様に右隣の修二へと。