どうやって毒薬を入れたらバレないだろうか?
そんな疑問が頭を掠めたのだ。
ここでお茶と一緒に毒薬も入れて持っていった所で、それをあの女が安心して飲む可能性は高くない。
安心してお茶を飲む状況を作るには、先ず目の前でお茶を注ぐ事。そして、誰かが毒味をする事だ。
そうなれば、お茶を注いだ後で毒薬を入れる事は不可能に近い。
毒薬を入れるチャンスはお茶を注ぐ前だけ。
ただ、初めから毒薬を入れておくなら、ガラスコップじゃ気付かれる。が、よく見ると食器棚にはガラスコップしか置かれていなかったのだ。
形は様々だが、どれも外から中が見えている。
ガラスコップ以外の物を探さないと!
そう思うと直ぐに桜は、食器棚へ伸ばしていた手を引っ込め、キッチンの下にあるキャビネットへと方向を変える。
キャビネットを開くと、大部分を占領していたのは鍋で。鍋に興味がない桜は黙々と鍋を出して奥に何かないかと目を凝らす。
と、奥の方にある思いがけない物が目に入ったのだ。


