本当は飲みたくない。
でも、……この毒薬をあの女に飲ませるには、このお茶を使うのが一番てっとり早い。
ゆっくりと桜の口の奥へと流れていくお茶。その瞬間、緩やかに桜の喉が動いた。
桜の喉を通っていくお茶の味は至って普通で。また、胃に違和感もない。
もしかしたら死ぬかもしれないという恐怖から大きな音をたてる心臓は1分経過しても、鳴り続けたまま。
多分、これはだだのお茶だ。
そう確信し、一人ニヤッと片方の口角を上げて笑う。
そして鍵と青い小瓶と白い紙をワークトップの上に置いたまま口を右手で覆う様に隠し、視線を下に向けて部屋を出た。
あの女を消せる事に思わずニヤついてしまう口元を隠す為に。
依然、現状に怯えた状態で、裏で何かを仕掛けてくると思わせない為に。
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5角形の部屋に桜が戻り、全員が揃うと部屋の中の様子を言い合う事になった。
が、正直桜にとってはそんな事どうでもいいこと。


