「毒薬って、……ほんとに?」
手にした物の恐ろしさに顔を青くさせながらそう呟くと、再び瓶を手の中で回し何か他に記されていないかを見てみる。が、他に記されているものは何もない。
何かの液体が入った青い小瓶に毒薬とだけ書かれたシールが貼られているだけ。
使ってみるまでは、本当に毒薬かどうかの判断はつかない。ただ……
もし、本当にこの瓶に入っている液体が毒薬だったとしたら。
……あの女を消してしまえる。
この場所から動けずに餓死する可能性よりも、この毒薬の方が簡単に由里子を殺す事が出来る。
毒薬が本物でなかったなら、再び餓死する可能性にかければいい。
桜はそこまで考えた所で、フッと笑い声が鼻から漏れた。
この場所に連れてこられた事が、自分に都合良く動くかもしれないという気持ちから出た笑い声。
そんなニヤけた顔のまま桜は、手の中の小瓶を元の場所に戻すと、今度は食器棚の隣に置いてある冷蔵庫へと手を伸ばす。


