この鍵も、あの紙に書かれていた通りなら……。
「この鍵さえ渡さなかったら、あの女はずっとここから動けない」
鍵がなければ犯人から解放されるか、誰かの通報で動くであろう警察がこの場所を見付けるかのどちらかでしかここから逃げる事が出来ない。
それがいつになるかなんて誰にも分からない。
何ヵ月も先かもしれない。
そうなると、桜が鍵を渡さなければ川瀬由里子は死の恐怖に顔を歪めて飢え死にする可能性も出てくる。
川瀬由里子の苦痛に歪む顔を想像して、桜がニヤッと片方の口角をあげて笑う。と、共にそのまま手に持っていた鍵を履いているロングスカートのポケットへと突っ込んだ。
最後に小さな青い小瓶を手に取ると、今度は怪訝そうな顔をして首を傾げる桜。
「これは?」
クルッと手の中で回せば、瓶の底に貼られた小さなシールに書かれた字で目が留まる。
『毒薬』
その文字に瓶を持っていた桜の手が小刻みに震えた。


