やっぱり、私達には何か共通点があるのかもしれない。
由里子がそう考え一人で首を少し傾げた時、桜の声が響いた。
「わ、私は、……買い物に行こうと家を出た所で。後は皆さんと同じです」
「俺も同じ様なもんだよ」
桜の後に直ぐ様そう言う守。
どんな状況でそうなったか全く言おうとしないその様は酷く怪しく由里子の目に映る。
というのも、由里子が嫌悪している男と髪の色が同じだという事も影響しているのだろう。
会った事も無いし、見た事も無いその男と。
「やっぱりそうか。じゃあ、由里子さんも?」
「ええ。仕事終わりに会社から出た時だから、6時過ぎ位だと思うけど。もしかしたら、私がこの5人の中で一番最後にここに連れて来られたのかも」
哲夫から話を振られて答えるも、そうか…と言って溜め息を吐かれてしまう。
何も手掛かりが無かったからかもしれない。
一気に静まり返る室内。