暗室を模した薄暗い部屋の中に置かれている多分黒いだろうワークチェア。それに腰を下ろした守は両手で頭を抱え込む。
まるで自分を隠そうとするその姿は、さっきまでの自分勝手で文句ばかり言う守とは別人の様。
「何でこんな事なってんだよ」
ボソッと漏れるその言葉。
と、同時にわしゃわしゃと自分の髪を両手で乱し、キリキリと歯を食い縛った。
「俺は、……俺は、彼女さえ居れば。……それだけで幸せだったのに」
守の頭を占めるのはその彼女の微笑む顔だ。
「俺は、……ミサコさえ居れば……」
半年前に出会ったミサコ。彼女こそ守が今最も愛する人なのだ。
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守がミサコと会ったのは隣町の公園での事だった。
真っ当な仕事をしていたわけではなく、裏の仕事をしていた守にとって小学校が隣接したこの隣町の公園はなかなかの好条件の場所だった。
というのも、守はこの公園の女子トイレに隠しビデオを設置し、それを回収してDVDに焼いた物を売り捌いていたのだ。


