暫くすると、修二、桜の順にこの5角形の部屋へと戻って来たが、その間に守と哲夫は会話を一切していない。
お互いに打ち解けようという気持ちがないからだ。
「哲夫さん、桜さん。この薬です」
修二から渡された薬の入っている箱の中から錠剤の薬を出し観察する様にじっくり見ると、ほっと息を吐き出す桜。
「本当に普通の薬なんですね」
「だね。私も家にこれと同じ薬を常備してあるよ」
「家もです」
桜と同様に薬を確認していた哲夫も安心したのか、頭痛薬の錠剤をポイッと口へと1個放り込んだ。
それに倣って桜も口へと錠剤を運ぶ。
共に水で飲み込まずにそのまま飲み込んでしまったらしい2人。
そんな2人の様子を見ていた修二が少し首を傾げると口を開いた。
「この頭痛薬もよく使っているパッケージの物を置いてあるというのは、安心感を持たせる為ですかね?」
「可能性は高いね」
「殺す気はない…と」
修二と哲夫の会話に苛立ちから思わず守が舌打ちをする。が、その舌打ちさえもこの3人は気にしていない。


